一人は、私のドアをなんども叩いて声をかけるのです。
「おまえさん、あんたの本心はどこなんだい」
「今まで借りてきたものを取り払って、何が残ったかよく見るんだよ」
「このまま自分にうそついて生きつづける気かい?」
「認めれば楽になるかもしれないよ」

一人は、そのドアを開けさせまいと必死に押さえます。
やめてやめて、この扉が開いたら何が起こるかわからない。
911の時以上の精神的負荷がかかるかもしれない。
私が私である最後の砦、どうかこの扉だけは開けないで!
この先にうそなんかあるはず無い!

――私の半身にうそなんかあるはずがない!

二人とも、泣きながら訴えてます。
日が沈むまで、ずっとせめぎあってます。

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