ふってわいた……

2003年8月17日
土、日、と宮崎に行ってきました。
羽田からぶいーんとヒコウキで。
ホントは土曜日は予定があったんですが、いきなり木曜の夜に身内から連絡が来ましてですね、そんなんいきなり言われても……後日じゃあかんのかね? って抗戦したんですがさすがにダメでした。

帰りの飛行機代と宿泊費は出してくださいましたが。

で、何しにいったかと云うと、

しらないひとのお通夜。
正確には、遠縁のご婦人のお通夜。

です。
まあ奇妙な話、聞いてくださいな。

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 ウチの身内がですね、私の成人式の写真をその亡くなったご婦人に送ってたそうなんですよ(送れる身内なんてタカが知れてますが)。で、しきりに私に会いたがっていたそうで。なんでかは……結局聞きませんでした。聞きづらくて。

 それが今回のご縁です。
 そういう方がいるとはついぞしりませんで。

 で、まあ決まったら早速チケットを奪取しに行かねばなりません。いろいろ手をつくして取りました。身内総出&親父の会社の同僚とか。尽くしたんです。ほんッとに尽くしたんです!! 宮崎でも通夜の準備と平行して、私の帰りのチケットの入手に奔走していたそうです。みなさんご尽力ありがとうごじゃいました(涙←この涙にゃいろんなツッコミが混じってるのよ)。

 それから金曜日。チケットが揃ったのを確認して、コミケ方面の友人に"いかれなくなりました買い物よろしく"とメールを打ち、荷造り。

 因みに今回の渡航者は(宮崎は国内だ)、

 私一人です。

 ちょっと! なんで! 両親は? 祖母は?
 ま、ご遺族の希望ですから。
 ええ、行きますとも。

 金曜の夜は遅くまでマナー本をひとしきり読みました。聞かなかったけど……仏式だよな。うん。

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 土曜日。黒スーツで羽田入り。
訳分からんまま手続きを済ませ搭乗、離陸。
機内? さあ…真中の席だったし、冠婚葬祭マナーとこの後の交通手段でアタマが絡まっちゃって……。

 で、宮崎空港到着。
 多分なんかフツーの綺麗な空港だったと思います…大体覚えてるはずなんだけど、ほんといっぱいいっぱいで売店がどうとか、名物がどうとかいう心境じゃありませんでした。冷静になりきれないと云うか。
 タクシーでホテルに直行、荷物をといて昼食を済ませ、ご遺族に到着報告。

 正直、まだびっくりカメラとか仕込まれてるんじゃないかと思ってました。

 向こうの家から迎えが来ると云うのでロビーで待つ。30分ほどで迎えのist(車種)が来ましたよ。セレブみたいな奥様(=ご婦人の長男の嫁だそうな)が迎えに来まして。ちゃんと私の顔と名前が分かっていたのにはびっくりしました。
 いきなりお呼びだてしてすみませんと涙声にしきりに云うておりました。ここまで来るとほぼ血縁関係ないですから、どうしたらいいもんかともごもごしてしまいましたよ。

 ――2時過ぎ。とうとう到着。別に田舎くさくもない建売り風の一軒家。車を降りると、もう家の塀沿いに人がぞろっと並んでる光景。なんだか降りづらくて勝手口に回してと申し上げとうございましたが、喪主のご主人がお出迎え。一通りご挨拶申し上げて、先に家にあげてもらいました。

 そしてご遺族とご挨拶。
 みなさん目元が赤かったです。
 お人柄もよろしかったんでございましょう。
 出てくる世間話に、私の母方の親戚の名前がばんばん出てくるし、私の成人式の写真もまちがいなく持っていたので(そうそうこの三白眼と二重アゴ…)、とりあえず間違った家には来てないことが分かりました。

 私は親族として席をもらい、通夜に参列しました。

 遺影は、上品な老婦人でした。
 死因は心不全。お友達と談笑している最中、倒れられたそうです。
 皆さんの話を聞いてると、「惜しいことだ」「残念なことだ」「早すぎるなぁ」と惜しむ声が多く、ご婦人はよい人であったのだなとしんみりいたしました。

 その後の宴会(っていうんですか?)にも顔を出し(ここでも親戚の名前がどかどかでてきました)、お先においとましました。お土産までいただいて。

 呼んで下されば馳せ参じましたものをなぁ。

――と、玄関先で挨拶してると一台タクシーが到着。これが私の送迎ですなとおもえば、降りてきた人間が……、

 近くに住む大叔母だったからびっくりよアンタ!

「ななな、なんで今ごろー!」
「それが夜のチケットしか取れなかったのよ〜」
 大叔母は葬儀に出席するようです。

 入れ違いに私はホテルに帰りました。
 
 ホテルでぐでーんのたーん、としていると、携帯メールがたまってたので一軒ずつ処理を……、

「(頼んだ買い物の)結果報告」
「(里帰り先の)瑞鳳殿にて」
「(買い物について)質問でーす♪」
「収穫ぐっぽしデス」
「(同人誌の)料金のお知らせ」
「京極新刊やっと読んだにょ〜」
「駆け落ちだね?」

 一気にへたれな現実に引き込まれましたとさ!

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 翌日。のたのたと朝食。荷物の整理をして、宅急便の手配をして、電話でご遺族にご挨拶、のたのたとホテルを出発。空港で昼食を済ませて、羽田に無事帰り着きました……。

そしてのたくたと自宅に帰り着くや、
家族が納骨後に九州へ行くと発覚。

……さん、はい、

なんじゃそりゃああああああああっ!!!!!!!

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ウチの家族に聞いたんですが、なんでご婦人が私に会いたがっていたかと云うと、19歳でバイト中に亡くなったお孫さん(セレブ奥様の娘さん!)が私とトントンぐらいだったからだという話。

家族で通夜に参列したくともこの時期チケットが取れないから一人でも、となったときに呼ばれたのがご婦人が会いたがっていた私であったというわけです。

…事実は小説より奇なりとはよく言ったもんですが。いやはや。そんなご婦人がいるという話を一度も聞いたことないから……なんとも実感が湧きませんで。
 
 
 
……納骨後も行くのかしら、あたし。

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